この5:7以下は、まとめの部分になります。この個所では「兄弟たちよ」という言葉で、それぞれの段落がはじまります。これを、そしてあのことをと勧告を並べる著者の読者への愛情を感じます。何としてもしっかり立ってほしいという強い思いがあるのでしょう。
その勧めのなかで、❝祈り❞(13~18節)を見ていきましょう。
「苦しんでいる者」が祈ることは、よくわかることですが、新約聖書時代の地中海世界では素直に受け取られないことでした。この時代の知識階級の間に普及していたギリシャのストア哲学に基づく消極的な姿勢が存在していたから。この哲学では、一切の苦しみに対して、内なる自由があることを確信してこれに耐えるようにと説く。
これは二元論的な人間観により逃避する思想の危険性があり、ヤコブはその点を鋭くつき、もっと積極的に主に向かうことを勧める。(新共同訳新約聖書注解より)
これからどうなるのだろうか、何ができるのかと思い悩み、追い詰められて「苦しんでいる」状態に陥った経験がおありでしょうか。どんな状況だったのでしょう。その時は・・・。
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