『いっさいは空』2020年10月4日 宣教

礼拝メッセージ

「伝道の書」、新共同訳聖書では「コへレトの言葉」という表題がつけられております。「コへレト」はヘブライ語で「集める人」という意味があり、集会を主催する人、説教者のことをいいます。この著者はイスラエルの知者で、ユダヤ教の会堂で人々に「知恵」を語っていた教師であったと思われるそうです。そしてこの人の呼び名が「コへレト」だったようです。口語訳聖書では、「伝道の書」と記されていますが、「説教者」を「伝道者」と理解したからでしょう。

 この「伝道者」がどんな人物だったのかは、知者であったという以外はほとんどわかっていません。彼は「ダビデの子、エルサレムの王である伝道者の言葉」(1:1)と始め、「伝道者であるわたしはエルサレムで、イスラエルの王であった」(1:12)といいます。「ダビデの子」というのは、皆さんよくご存じの古代イスラエルにおいて、最大の知者といわれたソロモン王のことです。彼はソロモン王の名を借りて語っています。そして彼は「伝道者は知恵があるゆえに、知識を民に教えた」(12:9)と語りユダヤの人々を指導したのです。アウトサイダーではなくて。

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