イエス様の”エルサレム入城”の話は、他の福音書にも出てまいります。
マルコ福音書11:1~10
マタイ福音書21:1~9
(ヨハネ福音書12:12~16)です。この物語は、よく知られ、また愛読
されているようです。「聖書教育」誌は「主がお入り用なのです」(31節)とタ
イトルを付けています。かって教会学校でこの場面をうたった讃美歌を、歌った
記憶があります。また、榎本康郎師著の「ちいろば」を思い浮かべる方もいら
っしゃるでしょう。
さて、この物語は何だか牧歌的な感じがしますが、はたしてそうなのでしょう
か。イエス様がエルサレムへ乗り込まれることは、まさに「飛んで火に入る夏の
虫」状態でした。イエス様はこれまで、様々な場所、場面で教えをなされました。
その度に律法学者・パリサイ人と言われる人々との軋轢が起こりました。伝統的
なユダヤ社会の律法解釈をし、律法遵守に腐心していた彼らにとって、イエス様
の教えは許し難いものでしたからです。陰謀と欲望の渦巻く街エルサレム。その
渦中へと振り返ることなく、先立って進んで行かれるのです。
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